キャリア教育 と 進路指導は、同じ? 違う?
『キャリア教育 フォー ビギナーズ』#05

career-guidance キャリア教育のお勉強

引き続き 藤田晃之 著『キャリア教育 フォー ビギナーズ』を読んでの学び #05

進路指導とは

進路指導は、本来、生徒の個人資料、進路情報、啓発的経験及び相談を通じて、生徒が自ら、将来の進路を選択・計画し、就職又は進学をして、更にその後の生活によりよく適応し、能力を伸長するように、教員が組織的・継続的に指導・援助する過程であり、どのような人間になり、どう生きていくことが望ましいのかといった長期的展望に立った人間形成を目指す活動である。
このような進路指導のねらいは、キャリア教育の目指すところとほぼ同じである。

平成23年 中央教育審議会答申

これを読めば、進路指導と キャリア教育が目指すものは、同じであるというのは自明である。

では、
なぜ 従来から「進路指導」という言葉が使われていたのに、
わざわざ新たに「キャリア教育」という言葉を使う必要があったのか? という疑問が浮かぶ。

その理由は、「進路指導」という言葉が、本来の意味から外れて認識される事が多くあったからだ。

どう、認識されていたのか?
簡単に言えば
卒業後の進学先・就職先に、生徒を無事に送り届ける(合格させる)こと」だった。

当時は
「良い高校→良い大学→良い会社」と進めば、幸せになれる という社会通念があった。

そのため、学校の先生は生徒のためを思って、入試や就職試験の突破するためのことに注力し、それ以外の「余計なこと」については見ないふりをするような指導が広がってしまった。

(進学・就職先で、不適合を起こすかどうかまでは)

しかし、
もはや社会が変わってしまったのだ。
「良い高校→良い大学→良い会社」という道筋が、かなからずしも幸せに結びつかなくなったのだ。

今や、大企業でもリストラの嵐である。

そんな社会情勢だからこそ、本来の意味での「進路指導」が重要となる訳だが
一度根付いてしまったイメージは、なかなか拭い去ることはできない。

進路指導 = 進学・就職指導 と思われてしまうのである。

新しい看板「キャリア教育」

だからこそ、別の言葉で
どのような人間になり、どう生きていくことが望ましいのかといった長期的展望に立った人間形成を目指す活動」を表そうとした。
その言葉こそが「キャリア教育」だったのだ。

つまり、本来 進路指導が目指したものを
改めて周知し、推し進めていくためにキャリア教育という言葉が用いられたと言うわけだ。

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