引き続き 藤田晃之 著『キャリア教育 フォー ビギナーズ』を読んでの学び #13
前回の記事投稿で、「次は、学習指導要領かな」と思っていたら
この本の次の章が、学習指導要領の項目だった
まずは、その始まりとして
「4分野 8能力」に関わる話と、それにまつわる困った話
4分野 8能力
平成14年(2002)
国立教育政策研究所生徒指導研究センター
「職業観・勤労観を育む学習プログラムの枠組み(例)」
において、示されたのが、次の「4分野 8能力」
- 人間関係形成能力
- 自他の理解能力
- コミュニケーション能力
- 情報活用能力
- 情報収集・探索能力
- 職業理解能力
- 将来設計能力
- 役割把握・認識能力
- 計画実行能力
- 意思決定能力
- 選択能力
- 課題解決能力
当時は、まだ多くの先生が
キャリア教育の指導計画の作成のポイントがつかめずにいた
そんな時期に
「小学校低学年では、これとこれ」「中学校段階ではこれとこれ」と
育成すべき能力が具体的かつ詳細に提示された資料が示された。
当然、
指導計画の作成に困っていた先生は、この資料をひな形として活用していった
画一的に運用されてしまった 「4分野 8能力」
が、
ここで、大きな問題が起きてしまった
「4分野 8能力」の資料で示されたのは「例」であり
今後、この例をもとに、各学校の実情に応じて学習プログラムの枠組み等を作成し、できるだけ客観的に子どもたちの発達の状況を捉え、次の指導に役立てていくようにすることが大切である。
キャリア教育の推進に関する総合的調査研究協力 者会議」最終報告書(平成16 年1月)
と、されていた
しかし、この「例」として示された ひな形が
ほぼそのまま コピー&ペーストされて、全国の学校に展開されてしまったのだ
本来は、各学校の状況に応じて、アレンジしていくはずの学習プログラムが
全国の多くの学校で、画一的に運用されてしまった
都会の学校も、地方の学校も
大規模校も、小規模校も
どこもかしこも、提示された例のままの指導計画となってしまった
詳しくは、次の報告書に書かれている
「キャリア発達にかかわる諸能力の育成に関する調査研究報告書」
「生徒一人ひとりに合った教育をして行こう」
という理念を掲げるキャリア教育において
右へ倣えの画一的な運用がなされてしまったという
いかにも、日本人っぽい 笑えない状況である
このあと発表される
「基礎的・汎用的能力」が示された時には
「4分野 8能力」と同じ轍を踏まないように
安易な例示を示さなかったという
この「基礎的・汎用的能力」については
次の記事で書いていきたい
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